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【OPSは欠陥指標なのか】OPSの目安とは?わかりやすく解説。

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近年プロ野球を見ていてると打率・本塁打・打点の隣に

『OPS』

という文字が並んでいるのを見たことがあると思います。

この記事を読んでほしい人

  • OPSってそもそも何?
  • OPSの目安について知りたい人
  • OPSのもっと詳しい情報を知りたい人

今日は『OPS』について全力解説します

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OPSとは?

OPSは正式名称を『On-base plus slugging』といい、日本では一般的に『オーピーエス』と発音されます。打撃指標の一つで、本塁打数や打点数とは違い、積み上げるものではなく、シーズン中に常に増減高ければ高いほどに評価されます。

OPSの計算方法

OPS=長打率+出塁率

の計算式によって計算します

OPSの計算具体例

4打席の結果:四球・2塁打・三振・三振

出塁率:0.500
長打率:0.666
OPS:1.166

OPSの目安

OPSについてはあくまでも目安にする必要があります。後述されている理由を確認してください。

  1. 1.00以上:MVP級の活躍
  2. .800以上:どのチームでもレギュラーが取れるレベル
  3. .600以上:1軍レベル・場合によっては控え
  4. .600未満:1軍に残るには他に秀出た能力が必要
代表例(2023シーズン終了時の成績)
1.00以上
:岡本 和真(.958)
.800以上:近本 光司(.809)
.600以上:大島 洋平(.650)
.600未満:長岡 秀樹(.575)

OPS歴代ランキング

通算記録
  1.  1.07999 王 貞治 1959-1980
  2.  .99566 松井 秀喜 1993-2002
  3.  .99041 A.カブレラ 2001-2012
  4.  .98651 落合 博満 1979-1998
  5.  .94049 T.ローズ 1996-2009
  6.  .93338 張本 勲 1959-1981
  7.  .93252 中西 太 1952-1969
  8.  .92944 小笠原 道大 1997-2015
  9.  .92665 ブーマー.W 1983-1992
  10.  .92525 松中 信彦 1997-2015
シーズン記録
  1.  1.29461 王 貞治 巨人 1974
  2.  1.25827 王 貞治 巨人 1973
  3.  1.25763 R.バース 阪神 1986
  4.  1.24368 落合 博満 ロッテ 1985
  5.  1.23425 W.バレンティン ヤクルト 2013
  6.  1.23239 落合 博満 ロッテ 1986
  7.  1.22306 A.カブレラ 西武 2002
  8.  1.21373 王 貞治 巨人 1966
  9.  1.21324 王 貞治 巨人 1967
  10.  1.21267 王 貞治 巨人 1976

OPSのメリット

OPSを導入することのメリットは二つあります。

  1. 得点への貢献度がわかりやすい
  2. 計算のしやすさ

ここまででOPSの概要について紹介しましたが、今まで通り『打率・本塁打・打点』じゃいけないの?という疑問がわくと思います。OPSが一般的な指標になったのは理由があるんです。

メリット①:得点への貢献度がわかりやすい

打率が高ければ高いほど、得点能力が高い

これは間違えてはいません。しかし、

OPSが高ければ高いほど、得点能力が高い

の方が信頼できるということです。

打率と得点の相関関係

平均打率と平均得点の相関係数は0.776

OPSと得点の相関関係

OPSと平均得点との相関係数は0.941

※画像はBASEBALL LAB様より引用

OPSと平均得点との相関係数は0.941>>平均打率と平均得点の相関係数は0.776

OPSの方が打率よりも信用できる数字だということがわかります。

メリット②:計算のしやすさ

OPSの計算方法は以下の通りです

OPS=長打率+出塁率

非常に単純な式です。選手を評価したいときに簡単に計算できるという点で非常に優れています。

OPSのデメリット

近年はOPSは身近なものになってきました。一方で

OPSが低いのにどうしてレギュラーなんだ!
OPSが高いんだから使ってやれ!

というような『OPS神格化』した意見も見られるようになりました。OPSはメリットだけではないんです。

  1. 数字のイメージがわかない
  2. 走塁の貢献度がほとんど評価されない
  3. 得点への貢献度が高いわけではない
  4. 運の要素を計算していない

デメリット①:数字のイメージがわかない

防御率:9回でどれだけ失点するか
打率:ヒットを打つ確率

上記のは非常にイメージがしやすいです。一方でOPSという数字をいきなり見せられても

????

となる人がほとんどです。

デメリット②:走塁の貢献度がほとんど評価されない

イチロー選手と松井秀喜選手を比べてみましょう

松井秀喜:日本通算.304 332本 889打点 OPS.995
イチロー:日本通算.353 118本 529打点 OPS.943

OPSの面では松井選手>イチロー選手です。

しかし、イチロー選手には盗塁王に輝くほどの走塁能力があります。OPSはそこが評価されないんです。

走塁能力が”全く”評価されないこれは勘違いです。内野安打を打てばOPSは上がりますし、一塁打を2塁打にする脚色があれば、OPSは上がります。

デメリット③:得点への貢献度が高いわけではない

OPSが高ければ高いほど、得点能力が高いよりも、

wOBAが高ければ高いほど、得点能力が高いの方が信頼できます。

wOBA>OPS>打率

この順番です。wOBAは得点への相関関係が高くなるように作られた指標のため、OPSでは太刀打ちできません。

↓wOBA的には山田哲人選手とビシエド選手は同格

※2022年の成績

  • 山田哲人:(OPS .783) (wOBA 0.349)
  • ビシエド:(OPS .773) (wOBA 0.349)
wOBAの計算方法
wOBA ={0.692×(四球−故意四球)+0.73×死球+0.966×失策出塁+0.865×単打+1.334×二塁打+1.725×三塁打+2.065×本塁打}÷(打数+四球−故意四球+死球+犠飛)

デメリット④:運の要素を計算していない

いい当たりだったのに…!たまたま野手がいないところに落ちた!試合を見ていてそんな瞬間ありませんか?OPSはそういった打球の過程を度外視しています。運の要素を度外視した打撃指標(BABIP)も存在しています。

BABIP = (安打 – 本塁打) ÷ (打数 – 奪三振 – 本塁打 + 犠飛)

OPSのまとめ

  • 計算のしやすさが売り
  • 打率よりは得点に対する信頼性が高い
  • 走塁や運の要素が考慮されていない

あくまで、『計算しやすい打撃指標』程度の認識が最適です。OPSのような野球指標は使いどころが非常に大切になります。

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